ファッションの話ではありません。企業発信(広報)の話です。
人事コンサル会社時代、人事チームは理念浸透や組織開発のための管理職研修や面談、アクションプランづくりなどを推進していて、広告出身の私は、人事チームとも連携しながらアウター領域(タグライン・ロゴマーク・ブランドブック・コーポレートサイトなど)のディレクションを担当していました。
そこでの経験から、ある日ふと気付いたのです。
アウター向けのプロジェクトと見せかけて、インナーブランディング(理念浸透、社内広報)をやるのって、いいね。と。
なぜなら、社外のすべての人たちから「自分たちが見られる意識」が醸成されると思うからです。(後述)
例えば、コーポレートサイトや採用サイトを一つ作るのでも、担当者・担当部署があると、制作サイドとしては意思決定が早いので楽ではあります。
でも、そこをインナー向けの理念浸透や組織開発チームと議論を積み重ね、みんなの意見をどう取りまとめるか?から一緒に考えながら作る。コンセプトはもちろん、サイトツリーも、コンテンツも、構成も、デザインも、一緒に考える。
すると「そもそもうちの会社ってどうあるべき?」「そもそもこの事業って経営計画的にメインにしていいんだっけ?」「そもそもうちの独自性って?」と、一つひとつ咀嚼して、考え抜いていく場面に直面します。
それらを考える時間ができる=自社についての自分なりの考えの基盤ができる=後から入社する後輩などに伝えやすい、わけです。
それ以外にも、「じゃあ、うちってこういう人が必要だよね」と、採用にあたっての求める人材像が明確になったり、「うちってやっぱりこの商品を強化すべきだよね」と営業戦略が見えたりします。
単に理念浸透や組織開発となると「忙しい中でやらされてる感」になってしまう企業もあるかもしれません。いわゆる、重要だけど緊急ではない案件だからです。
でも、コーポレートサイトや各種ツールは業務に必要ですから力を入れてくださいますし、社外のすべての人たちから、ましてや公から「見られる意識」があると、けっこう皆様張り切ってくださるんです。
「アウター向けは、インナー向けに比較して張り切ってくださる度合いが違う気がする」これが、アウターと見せかけてインナーの効果だと感じています。(吉田の感覚値なので、企業様によるのですが・・・)
そもそもアウター、インナーと切り離して考えるものではないですしね。従業員も企業にとってはステークホルダーの一部ですから。エンゲージメント向上、ファンづくりという広い観点では、それらを切り離すことはできないのだと思います。
とはいっても、成功例に頼らないでまっさらな気持ちで日々に向き合うのがモットーのため、数ヶ月後はまた違うことを言っているかもしれません。
また書きます!